写真界のトリオ・Terrible Three(テリブル・スリー)
スウィンギング・ロンドンの時代は、カメラマンも、それまでにはない高い地位を得ることに成功していました。
その代表格が、「Terrible Three(テリブル・スリー、「すごい3人」の意味)」と呼ばれた3人の写真家、デヴィッド・ベイリー、テレンス・ドノヴァン、そして、ブライアン・ダフィです。
この3人の共通点は、ロンドンの労働者階級出身ということです。
元々カメラというのは非常に高級で、庶民の手に届くものではありませんでした。
しかし、第二次大戦後、カメラが安くなったことで大衆化し、彼らのような労働者階級の人でも自分のカメラを持つことができるようになったのです。
逆に戦前のことを考えると、ブルジョワ層以外のフォトグラファーが誕生することは考えられませんでした。
こうしてカメラを手にした3人は、その腕を磨き、「Vogue」や「バザー」などの有名女性ファッション誌の専属カメラマンになり、知名度を上げていったのです。
また彼らのモノクロで撮るその作風が、時代にマッチしたということも彼らの知名度を押し上げる一因になりました。
彼らは、ファッションモデル以外にも、ロックスターや女優、王族の人々を写真に収め、このトリオが撮った写真により、被写体になった有名人たちはより有名になり、また写真家自身も知名度を上げることになりました。
スウィンギング・ロンドンとは、フォトグラファーが大スターのように、もてはやされた時代にもなったのです。