BAZAAR(バザー)とBIBA(ビバ)
スウィンギング・ロンドンの時代には、多くのブティックが誕生しました。
その中でも特に成功し、スウィンギング・ロンドンのファッションを代表するブティックを展開したのが、「バザー(BAZAAR)」をオープンさせたマリー・クワントと、「ビバ(BIBA)」をオープンさせたバーバラ・フラニッキです。
マリーは、ティーン向けの衣類やアクセサリーを大量に買い付け、夫の資金提供の元に、1955年に「バザー」を構えました。
このブティックが大成功を収め、更に若者文化の成熟が追い風となり、マリーはデザイナーとしてデビューしてからも成功の道を突き進むことになります。
彼女の業績では、ミニスカートやホットパンツの普及が大きかったのではないかと思います。
一方、バーバラは、ポーランドにルーツを持ち、パレスチナに住んだことがあるという経歴の持ち主で、その追及するデザインや美学が、マリーとは全く異なっていました。
彼女が最初にオープンしたブティックは、路面店ではなく、メールオーダーのお店です。
この時代に通信販売で衣類を売るデザイナーはまだおらず、メールオーダー・ブティックは評判を呼び、そこでの成功が「ビバ」のオープンに繋がりました。
彼女はマリーの典型的ブリットスタイルとは異なり、オリエンタリズムやゴシック様式の要素を取り入れたスタイルで、若者の人気を得るようになります。
ビバには、お忍びで、王室の人々やハリウッド女優が大勢訪れたそうです。