ミニマリズム(Minimalism)
ミニマリズムとは、「ミニマル(最小限、最低限の)」という意味を持つ、無駄なものを一切なくした究極のシンプル主義のことです。
この言葉は、主にアートの分野で使われていますが、ファッションでも、「シンプルスタイル=ミニマル・ルック」が1990年代に台頭してきて、ファッション用語としても定着しました。
80年代を振り返ると、世界的な好景気により、ファッションでも過剰な装飾が流行し、イギリスではニュー・ロマンティックに代表されるような豪華な衣服も好まれていました。
しかし、その反動からか、90年代に入ると、それまでとは打って変わり、簡素なスタイルが好まれるようになったのです。
またそれに伴い、素材感が硬く、見た目が派手であったものが、心地よい柔らかい素材やスタイルに変わっていき、見た目もナチュラルになっていきました。
「ドレスアップ」することが主流であった時代から、「ドレスダウン」がトレンドの中心にシフトしてきたのです。
この頃になると、全体のシルエットはすっきりし、肩パットがしっかり入ったパワードレスは完全になくなり、アクセサリーも最小限か若しくは全くしないという人も増えました。
イギリスでは、テッド・ベーカーやネクストといったブランドが店舗数を増やし、多くの人がラグジュアリーなハイファッションから遠ざかりました。