売れ行き好調の靴
90年代の後半になると、人々が靴へのこだわりを顕著に持つようになりました。
その流れは、
1.デザイナーズ・シューズの流行
2.コンフォート・シューズの流行
の二つの流れで大きくなりました。
デザイナーズ・シューズでは、それまでも多くの靴を製作してきた老舗、イタリアのフェラガモやプラダも一時売上が停滞していましたが、90年代後半に入り、再び売上を伸ばしました。
そしてイギリスでは、マノロ・ブラニクの時代が到来します。
スペイン人のブラニクは、70年代に自身のお店を構えますが、その芸術的な作りは女性の足をより美しく際立たせ、また安定したハイヒールの構造もあり、高い人気を得るようになります。
ブラニクの靴は、現在でもセレブに人気ですが、そのほかではジミー・チュウも靴のトップブランド入りを果たします。
一方、コンフォートシューズでは、老舗のC&Jクラークが売上を伸ばします。
1990年代の初め頃、イギリスではどの靴メーカーも売上が芳しくなく、事業を縮小する傾向があり、クラークも経営不振に陥っていました。
しかし、90年代も終わりになると巻き返しを図り、特にレディースシューズ部門で業績を伸ばすことになりました。
靴製作の技術そのものが、数十年前よりも各段に進歩し、値段が安くても履き心地に不都合のない靴が作られるようになったことも、売上好調の大きな理由になったのだと思われます。