サイケデリック・ファッション
サイケデリックとは、幻覚剤LSDを服用した時に見られる、幻覚や精神状態のことです。
LSDは同時に、世界中で新たな芸術やファッションを生み出すことになりました。
そのきっかけは、米ハーバード大学教授、ティモシー・リアリーが、1960年に初めてLSDを体験し、それ以降、LSDの普及に尽力したことです。
リアリーはその後、ハーバード大を追われますが、その一方で、LSDは全米で急激に広まり、1965年にはイギリス上陸を果たしました。
イギリスで最初にサイケデリック・ファッションのブティックをオープンしたのは、デザイナーでアーティストであるナイジェル・ウェイワースです。
彼は1966年2月にブティック「グラニー・テイクス・ア・トリップ」をオープンしましたが、この「トリップ」という言葉は、LSD体験からヒントを得たと言われています。
LSD体験で得る幻覚をそのまま作品に投影するのですが、その特徴は、派手な色彩であることと、抽象的であることです。
サイケデリック・ファッションでは、それが派手なプリントのドレスであったり、光沢の眩しいサテン地にレザーを組み合わせるという、通常では考えられないコーディネートになります。
ビートルズがサイケデリック音楽を生み出し、またサイケデリック・ファッションを着こなしたことで、サイケデリック文化は若者の間でクールなものとして熱狂的な支持を得ることになりました。