クール・ブリタニア(Cool Britannia)

クール・ブリタニアとは、1990年代の産業や若者文化の飛躍的な活躍を総称して使われた言葉です。

この言葉の仕掛け人は、1997年に首相に就任したトニー・ブレアであるといわれています。

ブレア首相(当時)は、クール・ブリタニアという言葉を使って、国家ブランド戦略を図りました。

その中には、イギリスの国家イメージを「クール・ブリタニア」にすること、イギリスの多様化した文化を擁護し、また若手芸術家やデザイナーを支援することなどが含まれます。

また、若者文化発展のために特別委員会を設け、デザイナーのポール・スミスなどが、その政府組織の顧問に選ばれました。

クール・ブリタニアは、その30年前、ロンドンが若者文化で活気溢れた「スウィンギング・ロンドン」を回顧し、それに勝るとも劣らない新たな文化形成を目指したものと思われます。

この時代に登場したファッションデザイナーでは、ジョン・ガリアーノとアレキサンダー・マックイーンが特に注目され、彼らは既に世界的な成功を収めていました。

ポール・スミスは、「イギリスには若者を育成する土壌がない」とし、大陸に渡っていく若き才能の流出に歯止めをかけるため、尽力しました。

しかし、90年代後半以降、「クール・ブリタニア」という言葉は全く使われなくなりました。

国家戦略の結果は大して得られず、現在ではほぼ死語になっています。

英国ファッションの歴史

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