ポール・スミス(Paul Smith, 1946年7月5日~)
イギリス屈指の信頼されるデザイナー、ポール・スミスは、常に顧客目線で物作りに取り組むことで有名です。
彼の父親は生地屋で、布使いのルーツは生まれた環境にあったようですが、本人は服飾関係よりもサイクリングに夢中で、本当はプロの自転車選手になりたかったそうです。
しかし事故で負傷し、自転車人生を挫折、頻繁に行くようになったパブ(居酒屋)では、美術学校の学生や画家の卵たちに囲まれ、多くの刺激を受けたといいます。
自転車を諦めた彼は、ファッション業界に進むことに決めます。
夜間のコースでテイラリングを学び、その後、サヴィル・ローで暫く仕立て屋として働きました。
そして、僅かな資金を元手に、自分の店をオープンさせます。
ポール・スミスが最もこだわるのは、顧客に信頼されるものを作ることであり、だからこそ、自分の店に顔を出し、顧客と触れ合うことを日課にしています。
サヴィル・ローで学んだことを基礎にして、一見地味でも確実な仕立てをし、リピーターを多く生み出す洋服を作り続けています。
ポールは、ブレア政権時代には、デザインや教育政策について考える部門でアドバイザーをしていました。
ファッション業界を支える基盤をつくり、イギリスで若者が自由な創作活動ができるような環境づくりに尽力を続けています。
謙虚で気配りのできるこのイギリス紳士は、これからも私たちの信頼に応え続けてくれるでしょう。